2010年02月14日(日) 
ここのところつづいていた採点地獄だが、ようやく抜け出すことができ天の光が射してきた。その長く曲がりくねった路を振り返ると、例年以上にカフカ(可不可)の嵐が猛威をふるったようで、死屍累々、そこここに残る爪痕は痛々しい。留年、そのことによる保護者への経済的打撃といった二次災害も心配されるところであるが、卒業がかかっているという深刻なケースが無かったのが不幸中の幸いである。

この私の講義は、かつて山大学生新聞の「講義の達人」というコラムでも紹介された人気講義である(うさこさん風プチ自慢)。開講時には教室に入りきらない受講希望者が殺到するため、やむなく抽選を行い2/3に受講生を絞り込む。しかしこれほど集まるのは宝くじ売り場同様、人が集まるところは当たりが出やすいという幻想によるかもしれない。あるいは新天地に神の王国を夢見た開拓者たちにつづくのは、そのおこぼれに預かろうとする不埒者や一攫千金をねらうならず者たちである。私が分け与えることができるささやかな知の種は、受け取った学生たちが自ら耕し植え育てることでしか収穫を手にできない類のものであるのに…。

抽選前には「関心がある人を優先したいので、単位が取りやすそうとか友だちが受講するからといった不届き者は抽選に参加しないでね」と言うことにしているが、ヤツらはそんな話しを聞くわけない。そこで数年前から漸次採点基準を辛くすることにした。「あの授業、本気でやんなきゃ通してくれないぞ」という噂が先輩から後輩に語り継がれるようになることを期待してのことである。仏の顔も三度まで。ゼウスもエホバも大魔神もときには荒ぶる神に変じ、備えのない者たちを天変地異で容赦なく一掃する。こうしてカフカの嵐は吹き荒れたのだった。

|閲覧数:336 |日記コメント(4) | 2010/02/14 08:53
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コメント(4)
daisukeさん
10/02/15 12:34
毒虫小僧を思い出しちゃった・・・
[ 返信 ]
イサドさん(著者)
10/02/15 10:15
> うさこさん
> satosugarさん
文化人類学って、今まで自分にとって「あたりまえ」で意識さえしていなかったことが相対化され、「あたりまえ」じゃなくなってしまう分野。突然自分の踏みしめていた地面が流体化するような「不条理」な世界ですよね。

授業の最後のアンケートで、世の中がちがって見え始めた、ものの見方が変わった、自分がどこか変わったというコメントが得られたらそのクールの授業は成功だったと思っています。
[ 返信 ]
satosugarさん
10/02/15 10:03
まさに「不条理」の世界!なんでしょうねえ、学生にとっちゃあw
[ 返信 ]
うさこさん
10/02/14 17:40
 「春の嵐」ですなあ。
 書いてみると「いかに自分がわかってないか」がよくわかるんで、
やっぱり書くのが一番だとは思いますが。。。

 何にせよ、彼らには勉強し直すことのできる時間がある。
平和な国に暮らすありがたさと頼めばお金が出てくるありがたさを
かみしめて、もう一年がんばってもらいましょう。
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